子供の病院選びって迷いますよね…。
自分にあった病院を選ぶのって難しいです。
病院も、病気の困っている人を救いたい!という思いなどがあり、やっているとは思いますが、ただ単に慈善事業じゃないので、経済的な問題や先生の事情などがあります。
なので、今回は、診察により生じる病院・先生側の利益について考えてみました。
Contents
病院の種類って?
病院と一言で言っても、街のお医者さんから市などが経営している大きい病院まで、色々あります。
診察により生じる病院・先生側の利益を見ていく際には、病院の規模や種類も関係して来るので、はじめに病院の種類について、説明します。
主な病院の種類は、以下の2つです。
- 開業医(街のお医者さん)
- 総合病院
開業医は、個人で医院・病院を経営しているお医者さんのことです。いわゆる町のお医者さんです。
開業医とは?
個人で医院・病院を経営している医者。町医者。
よく、町で「〇〇内科」とか「✕✕歯科」とか見かけますよね。そういう、専門分野に特化して、個人でやっているお医者さんが開業医です。
総合病院は、入院用のベッド数が20床以上あり、内科や耳鼻科や小児科などの複数の科がある規模の大きい病院のことです。
ちなみに、入院用のベッド数が20床以上あると病院、20床以下だと診療所(クリニック)です。
診察によって病院の先生はどんな利益を得る?
開業医(町の小児科や耳鼻科など)の場合
個人で経営している開業医の先生。。。
この開業医の先生にとって、診察により得られる一番の利益は・・・
ズバリ…お金(笑)…です。
病院を出る時に診察代金払うし、当たり前と思われる方もいるかもしれませんが、開業医の先生にとってちゃんとお金を稼げるかどうかはとても重要なんです!
開業医の先生は、自分で借金をして病院を建てています。なので、病院をうまく経営していく必要があります。起業と一緒です。
開業医の先生は、最初はマイナスからのスタートです。まずは、病院の経営を軌道にのせ、借金を早く返さなければいけません。
そして、黒字がでてもそれが維持できるように、確実な利益を出し安定した経営状態を保つ。
これって結構難しいです。
開業医に求められるのは、医者としてのスキルだけではなく、経営のセンスもです。
(以下、参考サイト⇒開業医、年収1億円と借金地獄の分かれ道 開業医の年収は勤務医の1.7倍!でも…⇒開業医の先輩から「開院直後はお金が苦しかった」と聞きました。開業するにあたって、お金の使い方で気をつけるのはどのようなことでしょうか?)
開業医向けの経営コンサルタントとか税理士もいるくらいなので、それだけ経営は大切で、大変ということです笑。
経営がうまくいかないと、最悪、病院は多額の借金を払うか、自己破産に追い込まれます。
そうすると、患者さんを診断して、医療で社会に貢献するとかそういう話ではなくなります。
開業医は年収が高いといいますが、経営状態を長期間黒字にできて初めて、年収が高くなるみたいです。
どんな診察をすると、売上が上がる?
ちょっと話はそれますが、開業医はどんなことに気をつけて、病院を経営しているかみてみましょう。
開業医は、一定の安定した利益(売上)がないと、経営が破綻します。
つまり、売上が大事です。売上は以下で決まります。
売上 = 患者単価 ✕ 患者数
そこで、どんなことをすると、売上が上がるか見てみましょう。
売上を伸ばす方法 ①患者単価を上げる
まずは、患者単価を上げることが重要です。
つまり、一回の診断で払ってもらう報酬(売上)をいかに上げるかが重要です。
診断の報酬は「診療報酬の点数」で決まります。この点数をいかにあげるかがポイントです。
診療報酬の点数は、下のような病院でもらう明細書に記載されています。
診療報酬点数を高くしやすいのは、身近な所でいくと「投薬料(処方せん料)」と「検査料」と「処置料」です。
今回は「投薬料(処方せん料)」を例に説明します。
「投薬料(処方せん料)」とは、医者が患者に対して薬を処方した時に加算される点数です。
「投薬料(処方せん料)」はだいたい68点なので、680円(1点=10円)をつけます。
この処方せん料がつくかつかないかだけで、1日の売上、1ヶ月(約20日)の売上は大きく変わります。1日100人の患者さんを見ると考えます。
1人⇒680円
1日(100人)見た場合⇒68,000円
1ヶ月(100人✕20日=20000人)見た場合⇒2,040,000円
⇒薬の処方をした場合としなかった場合には、1ヶ月の売上に200万の差がででる。
この差は大きいです。1ヶ月200万てことは、1年で200万✕12ヶ月=2400万円の差がでるんですから。
- 患者単価=診療報酬の点数
- 診療報酬の点数⇒「投薬料(処方せん料)」と「検査料」と「処置料」で決まる
この診療報酬点数について、以下を参考にしました。
売上を伸ばす方法 ②患者数を増やす
いくら、患者単価を伸ばしても、患者数が少なければ経営は傾きます。
なので、患者数を増やすことはとても大切です。
患者数を増やすには、どうしたらいいのか。
それには、患者が満足の行く診療をして、評判のよい病院になることです。
評判が良ければ、意外と患者数は増えます。
でも、評判がいい病院というのも、患者にとっていい病院であるかはわからないなぁと思います。
患者さんでも、病状を特段丁寧に説明してくれなくても、抗生物質などの薬を処方してくれればいい医院だとい思う人もいますし。
患者に来てもらうためには、患者の欲求をある程度満たさないといけないので、評判のいい病院が一概にいい病院とは言えません。(そう思った体験談は次の項に書いてます。)
(参考サイト⇒開業医の年収は、少しの患者数の違いで劇的に変わります⇒医院開業・クリニック開業はゴールじゃない!医院開業はスタート地点 まずは、患者様に来院していただくために)
開業医は、売上を上げるために以下を重視している!
- 患者単価を上げる(薬を処方したり検査して、診察報酬の点数を上げる)
- 患者を増やす(患者に信頼されるような病院づくり)
私が体験した耳鼻科(開業医)での診断
開業医の病院に行った時に、実際に私が開業医も「お金(売上)」を意識しているんだなあと感じた話を書きたいと思います。
私が行った耳鼻科は、お客様の「感謝の声」と「不満の声」をピックアップして病院内に貼っていました。
そして、患者に寄り添う医療を全面に押し出していました。
患者がわかりやすいように、先生が操作するカメラの様子(カメラで耳や鼻の中を見る)を大きいモニターから患者もみれるようになっていたり。
診察が終わって一週間すると、その後、病院から体調はいかがですかと病院に不満などはなかったですかという郵便が届いたり(笑)。
さらっと薬を処方される
最初は、その病院にとてもいい印象を持っていたのですが、次に病院に行った時に不審に思う出来事がありました。
その日は、風邪気味で喉が痛かったので、診察に行きました。
耳鼻咽喉科では、カメラで取った鼻や耳の中喉の写真を見せられて、ここが腫れてますねーと説明され、風邪ですねと言われました。
その時点では、実際の画像などを見せて説明してくれてわかりやすくて、よいなぁと思いました。
しかし、説明が終わると、一方的に、「抗生物質と炎症どめ出しときますね。お大事にー。」と言われ診察が終わりました。
「ええ?どんな症状だから、こういう薬を出すとかの説明は?ないの?」と思い、
そのままお会計に。
なんかスッキリしないまま、病院を後にしました。
今思うと開業医は、患者の病院に対するイメージをあげるのは大切です(患者を獲得のため)。なので、最初は丁寧に説明してイメージをあげたのだと思います。
でも、それと同時に、1日にたくさんの患者を見て、収入を増やさなきゃいけません。なので、最後の方は、時間がなくなってさらっと薬を処方して終わらせたのでしょう。
1日になるべく多くの患者を見た方が利益に繋がります。でも、信用も大事。
となると、診察では限られた時間で最大限に患者によりそい、なるべく早く診察を終わらす。
それが病院の利益を生み、経営を存続させるのに必要な方法だと思います。
私が体験した皮膚科(開業医)での診断
丁寧な説明に納得。しかし、何度も薬の処方をオススメされる(笑)
子どもと私に発疹ができて、皮膚科に行った時のことです。
なんで、こんな発疹ができるのか、私は先生に色々と質問しました。
納得がいくまで、20分か30分くらい、先生に話を聞いていました。
先生はどの質問にも、1つ1つ丁寧に答えてくれました。
結局、その発疹について、原因は特定できませんでしたが、いくつか可能性のある病気を教えてもらいました。
もうちょっと症状が強くと出れば、原因が特定できるかもと言われました。
ですが、なぜか、原因が特定できないのに、話の間に「気になるようでしたら薬を処方しておきますよ」という一言を何度も挟んでくるのです。
私は、原因がわからないし「薬はいりません」とその度に言いました。
しかし、「よかったら薬を出しますよ」と不自然なくらい進めてくる先生(笑)。
診断には満足したのですが、なんか違和感を覚えました。
後々思うと、短い時間で効率よくたくさんの患者を見なきゃいけないのに、私は長い時間診察してもらってました。
なので、せめて薬を処方して処方せん料を取り、患者単価をあげようとしたのかも知れません(笑)。
総合病院の場合
次に、総合病院について考えて行きたいと思います。
総合病院の先生に取って、診察によって生じる利益はなんでしょう?
ここで、知っておきたいのが、総合病院の場合は、開業医と違って、普通のサラリーマンと同じなので月々決まったお給料とボーナスが支給されます。
なので、総合病院の先生は、基本的には「病院の売上」を気にして診断することはありません。
自分の給料に一番関係あるのは、「出世」です。サラリーマンなので、「出世」することでしかお給料は増えません。
「病院の売上」を気にしたところで、自分の給料には関係ありません。
ですが、例外があって、病院の中でも「院長」など、地位が高い人になると、「売上」を意識している可能性もあります。
地位が高くなってくると、出世コースにのって病院の経営者(社長)に近いポジションになるので、診察している場合にも「売上」を意識することがあります。
では、総合病院の先生にとって、どうすれば、出世できるのでしょうか?
診察によって、何が一番自分の利益になるのでしょうか?
総合病院といっても、大きく分けて「大学病院」と「民間病院」があるので、それぞれの場合を説明していきます。
大学病院
そもそも大学病院には「診療」・「研究」・「教育」という3つの役割があります。
大学はもともと、専門的なことを学び研究する機関です。
だからかわからないですけど、大学病院は「研究」を一番重視しています。
大学病院の先生が病院内で認められる(出世する)には、たくさん論文を書いて賞を取ったり、博士号を取得するための「研究」が大事です。
たくさんの患者を診察し、色々な症例をみて、それを論文として書くことが出世に繋がります。
なので、大学病院の先生に取って一番重要なのは、以下です。
「研究」で論文に書くための色々な症例やデータ
これです。診察で得たデータが大切。だって、データないと論文かけないもん。
なんか、実験体みたいで嫌ですね(笑)
でも、患者の病気をデータとしてみてるので、なるべく正確に分析して薬を処方してくれるかもしれません。
データとしか見てないので、わざと効果のない薬を処方して、効果がないことを実際に確認するみたいなこともやってるかもしれませんが…。
民間病院
総合病院のうち、もう一つは民間病院です。
民間病院では、以下の2つのことが重視されます。
①現場(患者の診察)を大切にしてるか
②勤続年数と病院への貢献度
民間病院では、臨床(「現場」、あるいは「現場を重視する立場」)と、勤務年数、研修や教育をして後輩を育てて病院がよくなるように働いているかなどが重視されます。
つまり、現場(患者の診察)を大切にしてるかと勤続年数と病院への貢献度が出世に関係します。
ですが、民間病院でも、地位が高くて、経営者に近いポジションの人は「売上」を意識している可能性があるので注意です。
あと、小さな病院で経営状態がよくなかったり、専門性に特化していない病院も注意です。
専門性に特化していない病院は、患者が来なくて、割と経営が火の車な所もあります。
インターネットで、病院の経営状態や専門に特化しているかなどを調べるとよいと思います。
個人的には、経営状態がよい民間病院の先生(地位が高くない人)が、患者にとって一番いいんじゃないかなと思います。
私が体験した総合病院(民間病院)での診断
子どもが風邪を出して、民間病院に行った時のことです。
熱は38度前後でとても機嫌がよかったのですが、気になるので、一応病院に連れていきました。
そして、診断をしてもらいました。
という風に、質問したことに対して、淡々と適切に答えてくれました。
最後の方はほとんど興味で聞いていましたが…。
ほかにも、どんな病気の可能性があるかや、なぜその可能性が疑われるのかなどを聞きました。
そして、今、機嫌が良くて熱も高くないなら大丈夫でしょうということで、対処療法で様子を見ましょうといわれました。その後、薬は処方されずそのまま帰ってきました。
聞いたことに適切に答えてくれるし、むやみに薬も出さない。
「売上」を意識した答えはあまりなく、時間も気にせず、納得の行くまで説明してくれたので個人的にはよかったです。今まで、一番納得のいく結果でした。
結局どんな病院がいいの?
病院にも、色々ありますが…、
最終的に、色々調べて体験して出した結論は、「経営状態がよい民間病院の先生(地位が高くない人)」が患者にとって一番よい先生なのではないかと思いました。
ただ、私の体験では、納得の行く診断をしてくれた開業医の先生もいたので、一概にここはいいとか悪いとかは言えません。
あくまで私の体験談ベースです。
でも、今回色々調べてわかったのが、病院にも色んな事情があり、単に「病院は患者のためを思って診察や治療に励んでいる」わけではないということです。
病院について、ちょっとでも不審に思った人は、「病院側の事情」や「病院が診断により生まれるメリット」を考えてみてもいいかもしれません。
病院側から患者を見ると、病院側の方針なども見えてきます。
自分に合ったお医者さんを探す上で、この視点は役にたつと思います。
この記事が、患者側の立場だけでなく、病院側の立場からも色々と考えてみるきっかけになれば嬉しいです。
以下、参考にした本です。